"chicken" には「ニワトリ」と「チキン(鶏肉)」の2つの意味がありますが、「チキン(鶏肉)が好きです。」を言いたい場合は、
① I like chicken.
② I like chickens.
③ I like a chicken.
のどれを使うでしょう?
まずは「可算名詞」と「不可算名詞」を簡単におさらいしてみましょう。
- 可算名詞 - 1つ、2つと数えられる名詞のこと。
- 不可算名詞 - 物質や抽象概念など直接的に数えられない名詞のこと。
基本的に、動物は「可算名詞扱い」、肉は「不可算名詞扱い」をするので、正解は、
① I like chicken.
私はチキン(鶏肉)が好きです。
になります。以下はチキンの調理法名です。
- grilled chicken ー グリルチキン
- fried chicken ー フライドチキン
- roast chicken ー ローストチキン
- steamed chicken ー 蒸し鶏
では、②と③の意味も見ていきましょう。
② I like chickens.
私はニワトリが好きです。
「ネコが好き」「犬が好き」など、動物の種類を好きだと言う場合は無冠詞複数形(a、theなどの冠詞なしの複数形)を使います。
ここで気をつけたいのが、無冠詞単数形(a、theなどの冠詞なしの単数形)を使うとカットされた「肉」の意味になってしまうということ。カットされた肉というのは主に食用の肉のことです。
I like horses.
(私は馬が好きです。)
I like horse.
(馬肉が好きです。)
I like ducks.
(私は鴨 (アヒル) が好きです。)
I like duck.
(私は鴨 鴨肉が好きです。)
I like rabbits.
(私は兎が好きです。)
I like rabbit.
(私は兎肉が好きです。)
I like dogs.
(私は犬が好きです。)
I like dog.
(私は犬犬肉が好きです。)
"cow(牛)" と "beef(牛肉)" や "pig(豚)" と pork(豚肉)"など、動物の名前とカットされた肉を意味する単語が別な場合は問題ないですが、そうでない場合は 複数形と単数形を言い間違えるだけで、誤解を生んでしまう可能性があります。
とはいっても、好きなペットの話をしている時に、たとえ "I like dog." と言ってしまったとしても、会話の流れから大抵の場合は「言い間違えちゃったみたいだけど、犬が好きなのね。」とわかってもらえるはず。 神経質になる必要はないですが正しい言い方ができるように意識はしましょう。
③ I like a chicken.
直訳すると「私は1匹のニワトリが好きです。」という意味になりますが不自然に聞こえるため使われない表現です。
まるまる1匹のチキン(鶏肉)はなんて言う?
肉は基本的に「不可算名詞扱い」と先ほど書きましたが、例外が、細かくカットされていない姿形がそのままの「まるまる1匹の肉」の場合です。例えば「まるまる1匹の鶏肉」の場合は、"a chicken" または "a whole chicken"と言います。コストコに売っている「ロティサリーチキン」もそうですね。
I bought a rotisserie chicken.
(ロティサリーチキンを1つ買いました。)
- rotisserie ー 回転式の肉焼き機
「豚の丸焼き」も細かくカットされていない姿がそのままの肉なので、"a pig" または "a whole pig" と言います。
How long does it take to roast a whole pig?
(豚の丸焼きを作るのにどれぐらい時間がかかる?)
ポイントは、"pork" ではなく "pig" を使うこと。"pork" はカットされたお肉のという意味なので、まるまる1匹の場合は"pig" を使う方が適切ですね。