本の内容をプロのナレーターが朗読してくれる「オーディオブック」。
そのオーディオブックをiPhoneやAndroidのスマホやタブレットにダウンロードして、気軽に聞くことができるサービスが『audible(オーディブル)』です。洋書のラインナップが豊富なため、英語のリスニングの勉強にも大いに活用できる、英語学習者にとってかなり嬉しいサービスです。
今回は、この『audible』の使い方やメリット、英語の勉強に最適なオススメの洋書のオーディオブックをご紹介します。
目次
- ネイティブ向けの朗読速度
- audibleを活用した英語学習のデメリット
- audibleアプリの機能
- 巻き戻しと早送りの秒設定
- 再生速度の変更 / ブックマーク機能
- audibleのオススメ洋書オーディオブック
- English Short Stories for Intermediate Learners
- Who Moved My Cheese? / チーズはどこへ消えた?
- Charlie and the Chocolate Factory? / チョコレート工場の秘密?
- Alice's Adventures in Wonderland / 不思議の国のアリス
- he 7 Habits of Highly Effective People / 7つの習慣
- Rich Dad Poor Dad / 金持ち父さん 貧乏父さん
- Steve Jobs / スティーブ・ジョブズ
- How to Win Friends & Influence People / 人を動かす
- The Room Where It Happened: A White House Memoir / ジョン・ボルトン回顧録
audibleとは?

『audible(オーディブル)』は、プロのナレーターや声優が朗読してくれるオーディオブック(音声本)を、iPhoneやAndroidのスマホ、タブレット、PC、さらにはApple WatchやAmazon Echoからも気軽に聴くことができるサービスです。
Amazon傘下のサービスとあって豊富な洋書のラインナップが特徴で、「洋書」のカテゴリーには40万タイトル以上ものオーディオブックが揃っています(2019年1月現在)。
児童文学、海外文学、ビジネス書、自己啓発本などジャンルも様々で、有名ハリウッド俳優が朗読しているオーディオブックも多数あります。
audibleの特徴

『audible』のオーディオブックは『Amazon』と『audible』のサイトから購入できます。
audible会員でなくてもオーディオブックの購入は可能ですが、会員になると以下のようなお得な制度を利用することができます。
- 月額1500円で毎月1コインが付与
- コイン1枚とオーディオブック1冊とを交換
- 会員は定価の30%OFFでオーディオブックを購入可能
- タイトルの返品・交換可能
- 購入したオーディオブックは退会後も残る
- 30日無料体験
オーディオブックは1500円以下で購入できるものから3000〜4000円ほどするものまで価格はバラバラですが、audible会員は 価格に関わらず1コインとお好きなオーディオブック1冊と交換することができます。使わなかったコインは自動的に翌月に繰り越され、6ヶ月間有効です。
また、コインを使い切ってしまった場合でも会員は定価の30%OFFでオーディオブックを購入可能です。
1500円以上する作品はコインと交換、1500円以下の作品は定価の30%OFFで購入といった使い方をすると、よりお得にオーディオブックを購入することができます。
購入したオーディオブックは、購入日から365日以内ならタイトルの返品が可能です。ただし『audible』は聞き放題サービスではありません。完聴後に新しいタイトルに返品・交換するのは控えましょう。
コインと交換したオーディオブックと直接購入したオーディオブックのどちらも、退会後も手元に残ります。聴きたい時にいつでもお手持ちのデバイスで引き続き聴くことができます。
『audible』には30日無料体験期間がありコイン1枚が付与されます。このコインと交換したオーディオブックは無料体験期間終了後も手元に残ります。
無料体験期間内に退会すれば翌月から月額1500円が課金されることないため、実質無料でオーディブルを1冊手に入れることができます。まずはお試しでオーディオブック1冊を完聴してみましょう。
audibleを活用した英語学習のメリット

好きな洋書で英語学習ができる
『audible』を使った英語学習の最大のメリットは、自分のお気に入りの本や興味のある分野の本でリスニングの勉強ができることです。
英語学習者用のリスニング教材では内容の題材まで選ぶことはほぼできません。一般的なリスニング教材はつまらない、興味がわかないという方は特に、audibleで自分の興味のある分野の本を一冊選んで、聴いてみることをおすすめします。
オーディオブックを選ぶ際に重要なのは、興味のある分野の本、お気に入りの本、ある程度知識のある本を選ぶ ことです。
『audible』には児童向けの簡単な内容のオーディオブックも多数ありますが、簡単だからという理由だけで選ぶのはやめておきましょう。もちろん楽しんで聴けるなら問題はありませんが、興味もなく面白さも感じないのであれば、英語学習者用のリスニング教材の方が効率良く学習を進められます。
普段から実用書やビジネス書をよく読むという方はその分野のオーディオブックを、文学作品が好きだという方は文学作品のオーディオブックに挑戦してみましょう。
様々なデバイスで英語の勉強が可能
冒頭でもご紹介したように『audible』はスマホやPCだけではなくApple WatchやAmazon Echoにも対応しています。スマホやタブレットで勉強をする場合には、アプリにオーディオブックをダウンロードするため、電波が届かない場所やオフラインでも英語学習が可能です。
しかも『audible』のオーディオブックはどのデバイスからも常に続きから聴くことができるため、CDのオーディオブックのように毎回どこまで聴いたのかを確認する必要もありません。「さぁ、今から勉強しよう!」と思い立ったらすぐに英語学習を始められるため、スキマ時間を有効活用に使ってリスニング力を鍛えることができます。
- ランニングしながらApple Watchで聴く
- 通勤・通学中はiPhoneやAndroidのスマホから聴く
- 帰宅後ネットサーフィンをしながらPCで聴く
- 家事をしながらAmazon Echoで聴く
- 寝る前にベッドの中でiPhoneやAndroidのスマホから聴く
このように、ライフスタイルに合わせて、スキマ時間を英語学習に充てたり、耳さえ空いていれば作業をしながらでも英語の勉強をすることができます。
ネイティブ向けの朗読速度
英語学習者向けのリスニング教材との決定的な違いは朗読の速度です。英語学習者向けのリスニング教材の場合は、聞き取りやすい比較的ゆっくりのスピードのものも多いですが、Audibleのネイティブ向けの洋書の朗読は、朗読速度も聞き取りやすさもナレーターによって様々です。
いくら英語耳を鍛えると言っても、全く聞き取れないようでは残念ながらリスニング教材としては使えません。購入前に、各オーディオブックの朗読サンプルで朗読速度やナレーターの声質などを必ずチェックしましょう。

audibleを活用した英語学習のデメリット
オーディオブックはその名の通り「音声本」のためテキストがついていません。日本語の本の多聴ならば問題はありませんが、英語のリスニング用の学習教材として使う場合には、聞き取れなかった部分はテキストで確認・復習する必要があります。オーディオブックを聞き始める前に、あらかじめ洋書に購入しておくといいでしょう。
Amazonには『Kindle Unlimited(電子書籍読み放題サービス)』があります。和書も含め普段から電子書籍をよく読むという方は、『Kindle Unlimited』の対象書籍のオーディブルを選ぶと洋書の購入にコストをかけずに済みます。

『Kindle Unlimited』については以下の記事にまとめてあります。参考にどうぞ。
関連洋書の多読からTOEIC対策まで英語力アップにアマゾン「Kindle Unlimited」活用しよう!
audibleアプリの機能
スマホでオーディオブックを聴く際はaudibleのアプリを使用しますが、このアプリには英語学習者にとって便利な機能がついています。
巻き戻しと早送りの秒設定

聞き取れなかった部分を何度も聞き直したい場合には、一番短い10秒に設定しておくのがおすすめです。
再生速度の変更 / ブックマーク機能

音声の再生速度も自由に変更することができます。基本的には標準の速度で聴くのが一番ですが、どうしても聞き取れない場合などには再生速度を落として聴くこともできます。ただし、速度を落とすと間延びしたように聞こえてしまうため、注意が必要です。
また、後で聞き返したい部分は簡単にブックマークしておくこともできます。表現や単語を後でチェックしたい場合にもブックマークをつけておくといいでしょう。
audibleのオススメ洋書オーディオブック
ここでは、朗読速度が比較的ゆっくりで、クリアな発音で聴きやすいオーディオブックをいくつかピックアップしてご紹介します。
English Short Stories for Intermediate Learners
サスペンス、SF、ファンタジー、スパイ物など様々なジャンルの短編ストーリーで構成されています。朗読速度はかなりゆっくりなので、リスニングが苦手な方でも比較的わかりやすい内容です。朗読の長さも3時間ほどなので、これから多聴を始めたいという方にはぴったりのオーディオブックです。
Who Moved My Cheese? / チーズはどこへ消えた?
世界各国でベストセラーとなった『チーズはどこへ消えた?(邦題)』の原作です。2匹のネズミと2人の小人が迷路の中でチーズを探し求める姿を通して、仕事、人間関係、恋愛、家庭といったあらゆる変化に対応するためのヒントを与えてくれます。シンプルなストーリーながら深い内容の一冊です。
こちらも非常に聞きとりやすいクリアな英語で朗読されています。
Charlie and the Chocolate Factory? / チョコレート工場の秘密?
ジョニー・デップ主演の映画、『チャーリーのチョコレート工場』の原作です。子供向けの童話ですが、ブラックユーモアたっぷりなストーリーなので大人も楽しめる一冊です。内容的には難しくはありませんが、朗読がイギリス英語なため、聞き慣れていない方にとっては少し聞き取りにくく感じるかもしれません。購入する前にサンプル音声で確認しておきましょう。
Alice's Adventures in Wonderland / 不思議の国のアリス
ディズニー映画でもお馴染みの『不思議の国のアリス』の原作です。白ウサギを追いかけて、不思議の国に迷い込んでしまったアリスの冒険を描くファンタジー小説です。 ナレーションはハリウッド女優のスカーレット・ヨハンソンが担当しています。表現力豊かな彼女の朗読は、大人でも楽しめる内容になっています。
he 7 Habits of Highly Effective People / 7つの習慣
世界的ベストセラーである『7つの習慣』は、人生をより豊かにするための成功哲学の定番本として親しまれています。英語の原作版は平易な文章が多く使われているため、比較的理解しやすいのが特徴です。朗読スピードはゆっくりめで、ネイティブ向けのオーディオブックの中ではかなり聴きやすい部類に入ります。オーディオブックの再生時間は13時間以上もあり、かなり聞きごたえがあります。
Rich Dad Poor Dad / 金持ち父さん 貧乏父さん
学校では教えてくれないお金に関する知識や考え方を学ぶことができる入門書です。ストーリー仕立てで書かれているため、お金に関する知識がない方でもすんなりと理解できる内容になっています。非常に聞きとりやすいクリアな英語で朗読されています。英語の勉強と同時に、役立つ知識も得たいという方におすすめです。
Steve Jobs / スティーブ・ジョブズ
ジョブズの生い立ちや人間性、物作りに対する想いなどが余すことなく書き記されている伝記です。一般的に伝記やビジネス書は、小説よりも平易でわかりやすい文章で書かれているものが多いため、専門用語さえクリアできれば理解するのはそれほど難しくはありません。朗読の英語は非常に聞き取りやすく、TOEICのリスニング対策にも使える内容です。
How to Win Friends & Influence People / 人を動かす
他人と如何に関わっていくかについて書かれたコミュニケーションの指南書です。ビジネスではもちろん、学校、家族などあらゆる人間関係に応用できる内容になっています。
小説のような詩的な表現は無く、行間を読む必要もないため、普段から読書の習慣がない方でも比較的楽に理解できる内容です。今回ご紹介したオーディオブックの中では、朗読スピードが少し速いため、慣れるまでは聞きづらく感じるかもしれません。
The Room Where It Happened: A White House Memoir / ジョン・ボルトン回顧録
トランプ政権の前大統領補佐官ジョン・ボルトン氏による、トランプ政権の外交の裏側を描いた暴露本です。米朝首脳会談を含む東アジア情勢についても詳しく記述されており、日本人拉致問題や安倍晋三元首相についても言及されています。
外交や国際関係に関する時事英語が必須なので英語初心者の方には難しい内容になっていますが、普段から英字新聞を読んでいる方や英語の語彙力が高めの中級者以上の方にはおすすめの一冊です。朗読スピードも少し早めなので、英語ニュースがある程度聞き取れるぐらいのリスニング力があると楽に理解できると思います。語彙力はあるけどリスニングが苦手という方は、書籍で内容を確認しながら聞くといった方法もおすすめです。
今回ご紹介したもの以外にも、英語学習に活用できるオーディオブックがまだまだたくさんあります。自分の興味のある分野のオーディオブックを見つけて、英語力アップに役立てて見てください。
オーディオブックは難しすぎるという方は、英語学習者向けに編集された多読用教材の『ラダーシリーズ』の「オーディオ・サポート(朗読音声)」がおすすめです。詳しくは以下の記事を参考にどうぞ。