物事をはっきりと断定できない時や、少し曖昧な言い方をしたい時、日本語では「〇〇っぽい」や「〇〇みたいな」「〇〇くらいの」のような表現をよく使いますね。
これら曖昧さを含んだ言い回しは、英語では接尾辞 "ish" を使うと簡単に表現することができます。
ということで、今回はネイティブが日常会話でよく使う "ish" の意味と使い方をご紹介します。
目次
"ish" の基本的な使い方
接尾辞(suffix)は、単語の後ろにつけることによって元となる単語に様々な意味を付け加えます。
まずは辞書に載っている "ish" がつく単語例をいくつか見てみましょう。
- child + ish = childish
(子供っぽい) - boy + ish = boyish
(男の子っぽい) - girl + ish = girlish
(女の子っぽい) - dove + ish = dovish
(ハトのような、ハト派の) - hawk + ish = hawkish
(タカのような、タカ派の) - dark + ish = darkish
(やや暗めの) - light + ish = lightish
(やや明るめの)
このように、「名詞」or「形容詞」の末尾に 接尾辞 "ish" を付け加えると「〇〇っぽい」や「やや〇〇の」のような単語に曖昧さを加えた意味になる例が多くあります。
この他にも接尾辞 "ish" が付く単語はまだまだたくさん辞書に載っていますが、日常会話では辞書に載っていない「名詞」or「形容詞」+ "ish" の造語が多く使われています。
接尾辞 "ish" の使い方例
それでは具体的な使い方を見ていきましょう。
時間 + ish
〜時頃
"ish" の定番の使い方の1つ。時間に少し幅を持たせたい時に使える表現です。
What were you doing at nine-ish last night? I tried calling you but didn't get through.
(昨夜の9時ごろって何してた?電話したけど繋がらなかったよ。)
"about + 時間" や "around + 時間" と同じように使うことができますが、"時間 + ish" はあくまでも口語の砕けた表現。フォーマルな場では使わないので注意しましょう。
Let's meet up at Starbucks at two thirty-ish tomorrow.
(明日2時半頃にスタバで待ち合わせしよう。)
この他にも、"noon-ish(お昼の12時頃)" や "midnight-ish(真夜中の12時頃)" のような使い方もできます。
"noon"や"midnight"の使い方に関しては以下の記事を参考にどうぞ。
色 + "ish"
〜色っぽい
微妙な色合いを説明したい時に重宝するのが "色 + ish" です。「赤」「黄」「緑」「青」などの基本色さえ知っていれば「赤っぽい色」「緑がかった青」「オレンジっぽい黄色」「紫がかった薄ピンク」のように色の名前を知らなくても色合いを簡単に伝えることができます。
I think your greenish eyes are so beautiful.
(あなたの緑がかった、すごく綺麗だと思う。)
ちなみに日本語は日本人の目の色は「黒」と言いますが、英語で "black eyes" は 「目の周りの黒いアザ」を指します。アジア人や黒人の黒い目の色を英語で言う場合は "brown eyes" や "dark brown eyes" が使われるのが一般的です。
I'm torn between grayish pale blue and whitish light green.
(グレーっぽい水色と白っぽい黄緑色とで迷ってるの。)
- be torn between A and B ー AかBのどちらを選ぶか悩む、迷う
色名に "light" や "dark" を付けたり、基本色に以外の色も使えば "orangish dark yellow(オレンジっぽい濃い黄色)" や "lavendarish light pink (ラベンダー色っぽい薄ピンク)" のように表現できる色がぐっと増えます。
以下の色はスペルに注意しましょう。 "ish" の直前の "e" は省きます。
- orangish ー オレンジっぽい
- purplish ー 紫っぽい
- bluish ー 青っぽい
- whitish ー 白っぽい
色の英語名は以下にまとめてあります。参考にどうぞ。
名前 + "ish"
〜さんっぽい、〜さんらしい
人の名前に "ish" を付けると「〜さんっぽい」もしくは「〜さんらしい」という意味になります。仕草、行動、言動、服装など、いろんな意味合いで使うことができる便利な表現です。
Who's singing this song? It's so Iggy-ish.
(この曲って誰が歌ってるの?すごくイギーっぽい。)
有名人や芸能人の名前だけでなく、自分の身近な人の名前にも使うことができます。
That's a very Owen-ish joke.
(それってまさにオーウェンっぽいジョークだよね。)
「〜さんらしい」を指す英語表現には "That's so Owen.(それってオーウェンっぽいね。)" や "That joke is so Owen.(そのジョークってオーウェンっぽいね。)" もありますが、"Owen-ish" が形容詞であるのに対して、"so Owen" は名詞です。何かを形容することはできないので注意しましょう。
数字 + "ish"
〜歳ぐらい、〜人ぐらい、〜個ぐらい
"数字 + ish" の例は、先ほども述べたように「〜時頃」を表しますが、それ以外にもシチュエーションに合わせて、年齢、人数、個数など、断定できない数を言う時に使える表現です。
A twenty-ish girl with long reddish hair came to see you this afternoon.
(今日の午後、赤っぽいロングヘアの20歳ぐらいの女の子が訪ねてきたよ。)
We'll be ten-ish.
(10人ぐらいになりそうです。)
"ish" を使わない場合は "We'll be about ten." と言い換えることができますね。
名詞 + "ish"
〜っぽい、
冒頭でご紹介した "ish" がつく単語以外にも「名詞 + "ish"」で「〜っぽい名詞」の造語を簡単に作ることができます。What's this? It tastes strawberry-ish.
(これ何?苺っぽい味がする。)
A : How was Singapore?
(シンガポールはどうだった?)
B : Hmm, it was kind of Hong Kong-ish.
(うーん、なんか香港っぽかったよ。)
"taste like 〜(〜のような味がする)" や "smell like 〜(〜のようなにおいがする)" のように "like" を使った言い方も日常生活でよく耳にする一般的な英語表現ですね。
形容詞 + "ish"
やや〜の
"ish" は名詞だけではなく形容詞にも付けることができます。 例えば、冒頭の "ish" がつく単語でご紹介した "darkish" のように、完全に暗いとは言いきれないけれどある程度は暗いというような断定できない曖昧さを含んだ言い方をしたい時に使えます。またあえて言葉を濁してソフトな言い方をしたい時にも重宝する表現です。
It tastes good but kind of sweetish for me.
(これ美味しいんだけど私にはちょっと甘めかな。)
いくつか例に挙げるとこんな表現があります。
- smallish ー やや小さい
- bitterish ー やや苦い、ほろ苦い
- roundish ー やや丸い、丸みを帯びた
- dryish ー やや乾いた、生乾きの
知っている形容詞に "ish" を付けるだけなので日常会話でも比較的取り入れやすい表現ですね。
いかがでしたか?今回は、ネイティブが日常会話でよく使う "ish" を使った表現の使い方をご紹介しました。スラング的な表現なので、フォーマルなシーンでは使うのを控えたほうがいいですが、普段の日常会話ではどんどん使ってみてくださいね。